カルロス・クライバーの分析

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カルロス・クライバーの分析

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その演奏に接する度に鮮烈な印象を受けた指揮者

純粋な音楽的意味において、この人を上回る指揮者は存在しないし、今後も二度と現れないだろう。正に「音楽の申し子」とも言うべき天才なのである。

大量にCDやDVDを制作し、メディアを最大限に活用する指揮者が多い現代にあって、録音を極度に嫌い、気分が乗らなければ演奏会を平気で

キャンセルするという点も変わっている。その為、異端児・問題児と見なされる事も少なくない。彼が神技とも言える域に達している演奏家であ

る点は誰しも認める所だが、時代の中心的存在であった事は一度もない。最高権力や重要ポストには無関心で、常に高い理想を追い求める指揮者

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カルロスの父が元祖・天才のエーリッヒ・クライバーであった事も忘れては成るまい。彼の基礎を形成しているのは偉大なる父だからだ。更に彼が南米で育った点も見逃せない。彼のリズム感は此処で培われたと考えられているからだ

強味は天井知らずと言える程の音楽的生命力の豊かさにある。驚異的な弾力性を持つリズム、迅速でありながらしなやかなメロディー・ライン、強靭でありながら軽やかなダイナミックス……これらはカルロス以外の誰からも聴く事は出来ない貴重なものだ

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しかも其処には計算の香りが全くなく、あくまで本能的である。但し、フルトヴェングラーやワルターらが感情を音に込めるというのとは随分違

う。クライバーはもっと純粋無垢である。というより、人間的感情その他の余計な要素は一切排除され、極度に純度の高い音楽が再現されてい

る。これは修練だけではどうにも成らない天性の資質である。

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音楽的には正に驚異的な鮮やかさを発揮するカルロスだが、逆にそれがマイナスに成っている事も否定出来ない。確かに聴いている時には「これ

程非の打ち所のない演奏は他にあるまい」と思うのだが、心の奥底に食い込んでくるものがないのである。結局19世紀の巨匠達を上位に見てし

まう。不完全な部分はあっても、聴いた後に心にたっぷりと充実感を残してくれるからだ。そして、たまにカルロスを聴いて、耳を洗われる様な

心持ちになる。この繰り返しだ。

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カルロスの欠点はレパートリーにもはっきり出ている。殆どハイドンやモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームス等の明快な造

型性を特徴とする作品ばかりを演奏している。たっぷりとしたロマンを要求される様な作品を敬遠している様に見えるのだ。彼はオペラにおいて

もヴェルディやリヒャルト・シュトラウス等で超名演を録音しているが、それはやはり様式の極致というべきもので、決して感情に身を委ねるも

のではない。

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しかし、客観的に見て、音楽的表現の素晴らしさにおいてはどの指揮者と比較しても抜きん出た印象を受ける事は間違いなく、カルロス・クライ

バーこそあらゆる指揮者の中で最高の真の天才であると断言出来よう。

尚、クライバーは1990年代後半から殆ど姿を現さず、生きながらにして伝説と化していたが、2004年7月13日に亡くなった。しかし、

伝統的解釈から垢を洗い流した様なその演奏は、何時迄も新鮮な光を放ち続ける事であろう。

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カルロス・クライバー(Carlos Kleiber)は、20世紀を代表する指揮者の一人であり、その音楽に対する姿勢や哲学には、時代を超えた普遍的な真理や教訓が含まれています。彼の人生とキャリアから読み取れる普遍的な教訓をいくつか挙げます。

1. 完全主義と卓越性の追求
カルロス・クライバーは、完璧さを追求する姿勢で知られていました。彼はリハーサルに非常に厳格で、細部に至るまでこだわり、常に最高の演奏を目指しました。この姿勢は、どの分野においても卓越性を追求するための重要な教訓です。クライバーの音楽は、細部への徹底したこだわりと高い技術によって生み出されており、それは時代を超えて称賛されています。

2. 独立心と芸術的自由
クライバーは、従来の音楽業界の慣習や期待に縛られず、自分自身の芸術的ビジョンを貫きました。彼は頻繁に出演せず、選ばれた少数の公演でのみ指揮をすることを選びました。この独立心と芸術的自由を重視する姿勢は、自己の価値観に忠実であることの重要性を示しています。

3. 音楽の本質を追求する姿勢
クライバーは、音楽の本質を深く理解し、それを演奏で表現することに全力を注ぎました。彼は単に楽譜を再現するのではなく、音楽の内面的な真実を掘り下げることに集中しました。この姿勢は、どんな分野でも、表面的な成功にとらわれず、本質を追求することの重要性を教えてくれます。

4. 質を優先する姿勢
クライバーは、量よりも質を重視しました。彼は膨大なレパートリーを指揮するのではなく、選ばれた作品を深く掘り下げ、最高の演奏を追求しました。この教訓は、現代の多くの分野で効率や生産性が重視される中でも、質の重要性を忘れないことを示唆しています。

5. 謙虚さと自己批判
クライバーは、自身の演奏に対して非常に厳しい自己批判の目を持っていました。彼は自分の演奏が完璧であるとは考えず、常に改善の余地を探していました。この謙虚さと自己批判の精神は、自己成長と向上を続けるために重要な教訓です。

6. 情熱と献身
クライバーの音楽に対する情熱は、彼のキャリアを通じて一貫していました。彼の演奏には深い感情と献身が込められており、それが彼を伝説的な指揮者にした一因です。この情熱と献身の姿勢は、どの分野においても成功するための基本的な要素であり、時代を超えた真理です。

7. 静かなるリーダーシップ
クライバーは、派手さや自己主張を避け、静かでありながら力強いリーダーシップを発揮しました。彼の指揮は、楽団員との深い信頼関係に基づいており、これにより彼の意図が見事に表現されました。彼のリーダーシップスタイルは、権威や権力ではなく、信頼と共感によって導くことの重要性を示しています。

カルロス・クライバーの哲学とアプローチは、音楽という枠を超えて、さまざまな分野で適用できる普遍的な教訓を提供しています。彼の人生と仕事から学ぶことは、時代を超えた価値を持ち続けるでしょう。
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